「速読には意味がない」「速読は有効だ」
どちらの説にも「科学的根拠がある」と主張する人がいます。
昔は私も、本1冊読むのに1週間以上かかることがあり、積読がどんどん増えてしまうこともありましたが、今は読み方を変え、平均的な厚さの本なら1日以内に読み終えることができるようになりました。
タイトルと内容がかけ離れていない限り、最低でも2回は読みますが、以前に比べて圧倒的に短時間で済みます。
私に関しては「速読の効果はある」と言えるのですが、なぜこのように両極端の結論が出るのでしょうか。
両者は議論しているのではなく、それぞれ別に主張しているので、論点がズレているのかもしれません。
それでは、速読の定義から見てみましょう。
「速読の定義」は人それぞれ
「速読」を辞書で引いてみましょう!
広辞苑 | 本などを速く読むこと。「―術」 |
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大辞林・大辞泉ほか | 本などを普通よりも速く読むこと。「―術」⇔遅読 |
新明解 | ―する 普通よりも速い速度で読むこと。 |
どうやら「普通」より速く読むことができれば、速読と言っても良いようですね。非常に抽象的な定義です。
ちなみに日本人の普通(平均)の読書速度は、1分あたり500~700文字程度。
文庫本や新書の1ページの文字数もちょうど同じくらいなので、1ページを1分以内読めれば「速読」だといえるのかもしれません。
速読の定義に「スキャニング(必要な部分のみを読む)」と「スキミング(サラッと読んで大まかな内容をつかむ)」を入れるかどうかも意見が分かれているようです。
本は熟読すれば思いのほか時間がかかる
ちなみに書籍のページ数は平均300ページ、岩波新書のページ数は原則として224ページです。
そしてロシア文学の「カラマーゾフの兄弟」は上・中・下巻からなり、それぞれ600ページ以上もあります。
たとえば、カラマーゾフの兄弟のような超長編小説を読もうとすれば、休憩なしでも30時間以上もかかってしまいます。
途中で読めない日もあるでしょうし、もしかすると読破するには1か月近くかかるかもしれませんね。
速読の流派ごとの基準(目標)は?
川村式ジョイント速読術 | 30時間のレッスンで分速10,000文字~ |
速読解Biz | 約1年後に5,000文字~ |
瞬読 | 3回のレッスンで分速10万~40万字になる人も |
フォトリーディング | 今までの10倍~ |
速読脳開発プログラム | 基準は分速10,000文字以上 |
楽読 | 今までの2倍~7倍 |
速読にはもちろん向き不向きがあり、全員に同じ効果があると断定できません。
しかしながら、速読は大手企業の研修に利用されていたり、日本速脳速読協会の教室だけでも全国に累計3,600教室もあるので、「速読」を都市伝説の類いやごく一部の人だけがマスターできる特殊なテクニックと考えるのは難しいでしょう。
速読の研究者や教室が他の流派のやり方を「意味がない」と否定する
どんなテクニックにも向き不向きがあるので、「Aは自分に向いていたが、Bは全然上達しなかった」ということもあるかもしれません。
生徒さんを呼び込むためというより、自分の流派に自信を持っているゆえの否定なのだと思います。
速読の部分否定には以下のような例があります。
- 視野・視幅を広げる眼球トレーニングには意味がない
- 眼球トレーニングは視力を悪くする
- 右脳や潜在意識を使う速読は意味がない
- 分速1万文字以上は絶対に無理、ほとんど記憶に残らない
- まえがき、あとがき、目次は目を通す必要がない。むしろ時間の無駄
- 脳内で音読した方が頭に入る
- メモしながら読むと右脳が働かないので良くない
- 本を1章や1節ごとに「小分け」にして繰り返し読む
- (小説限定)読書中に泣く、笑うはスピードが落ちる
「本を1章や1節ごとに「小分け」にして繰り返し読む」方法に関しては、難しい専門書や資格取得のための勉強には、効果的だと思われます。
すらすら読めるビジネス書や自己啓発本は、一度最後まで読んで大筋をつかんで最初から読み直した方が、効率が良いとされています。
小説は「楽しむため」のものなので、じっくり味わいながら読む熟読もおすすめ。
感情移入しながら読んだ本の内容は忘れにくいため、小説はビジネス書や実用書に比べ忘却の速度が遅く、途中で挫折し積読になりにくいのが特徴です。
そうはいっても、速読の技術をマスターすれば、小説も平均よりはかなり速く読めます。
「速読は意味ない・効果なし」の科学的根拠となった実験・研究を速読全般に当てはめられるのか?
効果がないと証明された?!フォトリーディング
wikipediaの「速読」の項で、フォトリーディングに関する以下のような説明があります。
ポール・シーリイによって提唱された速読法で、一分間に25,000文字を読解することが可能だとされている。2001年にフォレスト出版から発売された『あなたもいままでの10倍速く本が読める』により日本に広まった。しかしオールド・ドミニオン大学心理学部教授のダニエル・マクナマラ博士は、NASAに提出した論文で以下のようにその効果を疑問視している。
これらの実験は、フォトリーディングに効果がないことを明確に示した。フォトリーディングを実践する人々が主張するような高い読解速度は観察されなかったし、実際、その読解速度は通常の読書方法のものと概ね同じものであった。さらに、フォトリーディングの熟練者がフォトリーディングのテクニックを使った場合、通常の読書方法と比べて読解時間の増加が見られた。この増加は、テキストの内容把握の低下を伴ったものだった。(速読-wikipedia)
150人の男女被験者を2つのグループに分ける
- グループ1:1週間フォトリーディングの方法を教える
- グループ2:特に何も教えない
→ 両者に差はない
- 熟練したフォトリーダーでも、1分間に読める文字数は1,873字(英語圏の読書速度は分速250字程度なので、1,873字なら平均の約7.5倍のスピード)
- フォトリーディングを使うと理解力が20%下がる
実験についての謎や疑問点
- 考案者のポール・シーリイ氏が、1分間に25,000文字の読解が可能と述べているが、フォトリーディングの方法は1ページ1秒ほどでパラパラめくり、3度ほど繰り返す。したがって分速は測れない種類の速読である。
- フォトリーディングは自分であらかじめ「読書の目的」を決めておき、その答えをキャッチする種類の速読術のため、相手からの質問に答える実験は不向き
さらに、フォトリーディングと川村式ジョイント速読術や速読解Bizの速読方法はまったく違うので、この実験結果のみから、すべてまとめて「速読は意味がない」というのは少し乱暴ですね。
ちなみにフォトリーディングは経済評論家の勝間和代さんが実践しています。
フォトリーディングは手順が煩雑なので、人によっては向き不向きがあるかもしれません。
速読のチャンピオンがハリーポッターの最新刊を47分で読むも…??
2008年のアメリカでの出来事ですが、速読のチャンピオンになった男性が、ハリーポッターの最新刊を47分で読破したそうです。
そして彼に本の感想を求めたところ、以下のような答えが返ってきたそうです。
これはページをめくる手が本当に止まらない素晴らしい一冊だ。子どもたちに大人気で、子どもが好きそうなシーンもたくさんありましたね。でも、ちょっと悲しいシーンもありますね。
カリフォルニア大学の心理学者、エリザベス・ショッターさんの発言
読書速度と正確さトレードオフはトレードオフ?
The available scientific evidence demonstrates that there is a trade-off between speed and accuracy–as readers spend less time on the material, they necessarily will have a poorer understanding of it,” Elizabeth Schotter, a psychologist at the University of California, San Diego and study author, commented.(Psychological Science in the Public Interest Jan 22, 2016)
こちらも「速読には意味がない」とする定番の説で、カリフォルニア大学の心理学者エリザベス・ショッターさんの発言です。
「読書速度と読解の正確さは両立できない関係であり、速く読めば、その分理解度が落ちる」とのことです。
エリザベスさんがどのレベルの速読のことを言われているのかは不明でした。
普段分速500文字で読む人が、(一般的な朗読の速さである)分速300文字に落としても、理解度が上がるとは思えないですね。
目の動きの時間は約10% 目の固定はデメリット?
Many speed reading technologies, it explains, focus on reducing the amount of time we spend moving our eyes when we read. The problem is not only that eye movement accounts for no more than ten percent of the time we spend reading, but also that preventing a reader from moving their eyes stops her from being able to go back and check a section of text that she’s failed to understand.
同じくこちらも、エリザベス・ショッターさんの発言。
「速読技術の多くは、目の動きをできるだけ少なくすることに重点を置いているが、目の動きが占める時間はわずか10%に満たないし、目を動かさないと読み損ねた内容を確認することができない」とのことです。
「速く読み取るために視線を固定しても10%未満の効果しかなく、読み落とした内容もそのまま放置することになるため、理解度が落ちる。
「メリットよりデメリットの方が大きい」と読み取れますね。次は、速読の効果には科学的な根拠があるという説です。
速読は目が命!速読脳開発プログラム・佐々木豊文さんの説
工学博士の佐々木豊文さんの著書『「1冊10分」で読める速読術』には、速読の習得には、視野・視幅の拡大が必要であると書かれています。
佐々木さんは2022年11月に他界されましたが、40年近く前から速読の研究を続け、NHKのためしてガッテンをはじめ、さまざまなメディアに登場されてきました。
佐々木さんだけではなく、多くの速読研究者は同様のことを言っています。
分速2,000文字で読む朗読を聞いて理解できても、ほとんどの人は同じ速さで読むことはできない
佐々木さんによると、舞台俳優などのプロなら分速2,000文字の速度で朗読でき、多くの一般人はその朗読を聞いても内容を理解できるが、自分が同じ速度で読もうとしても不可能だということです。
読めない理由は目が文字を追えないからです。
脳内で音読しても分速2,000文字以内なら可能とされています。これは平均的な読書速度の約5倍で、ほとんどの人はできません。
なぜなら、次の行に視点を移す行間運動がうまくできず、止まったり飛ばしたりしてしまうからです。
行末を読んでいるときに次の行頭が見えていなければ難しいということですね。
速読のポイントは、いかに停留の回数を少なくするか
佐々木さんによると、読書中の目の動きは、「停留」と「飛越運動(サッケード)」からなり、停留の時間は0.2~0.6秒、サッケードの時間は0.02~0.03秒。文字を読み取るのは「停留」の時間です。
読書心理学の研究では、読書速度の速い人は、停留の回数が少ないことが判明しており、1回の停留でとらえる文字数(認知スパン)が多いとのこと。
「スキャニング(必要な部分のみを読む)」と「スキミング(サッと読んで大まかな内容を掴む)」を行うには、この認知スパンを増やすことが重要。
ページ内の広い範囲の書かれている内容を上手に認識できれば、「スキャニング」と「スキミング」は簡単になります。
視読ができないと速読もできない
速読ができない理由は、頭の中で文章を読み上げてしまう習慣のためです。
「日本」「新聞」
こうした単語を目にしたとき、「に・ほ・ん」「し・ん・ぶ・ん」と脳内で読み上げなくても、視ただけで瞬間的に何が書いてあるか理解できます。
一般的に7文字以下の単語やフレーズなら、一瞬で理解できるとされ、これを「視読」と呼びます。
一瞬で理解できる文字数を、単語→フレーズ→文章→段落とだんどん増やしていくのが速読のトレーニングです。
佐々木さんによると、脳内で読み上げることをやめると、右脳が働きイメージ化が簡単になるそうです。
イメージ化できると内容の理解が簡単になり、長期記憶として残りやすくなります。
眼のトレーニングで焦点が定まる
佐々木さんの速読教室に入会した50代の男性の話ですが、入会当初、彼の読書速度は分速300文字でした。
これは国語の先生に褒められる速さで、上手な昔話の朗読の速さでもあります。
けれども、黙読の速度としては非常に遅いものです。
その原因は、両眼で近くを見ようとすると焦点が定まらなかったことで、トレーニングによって改善したそうです。
ある程度読書の習慣があるにもかかわらず、読書速度がとても遅い人は、片方の目だけ、もしくは、両眼をバラバラに使って読んでいる可能性があるようです。
速読には脳の可塑性と汎化作用を活用する
主流派の速読は、脳の特性である可塑性(かそせい)と汎化作用(はんかさよう)を活用します。
環境や状況に慣れるという可塑性を利用する状態は、自動車の運転と似ていると言われています。自分にとって通常の速度よりも高速の状態が続くと、その高速の速度があたかも自然であると感じるようになり、元の通常の速さに戻ったときにはそれが遅く感じるようになるというものです。
脳内のネットワークは繁密かつ複雑に絡み合っていることから、ひとつの能力が活性化するとそれに連なる他の能力も連鎖的に活性化します。この働きを汎化作用と呼びます。(引用元:速読解Biz)
脳科学者や医学博士の研究による速読効果とは?
日本速脳速読協会に寄せられた識者の意見です。
両先生の意見は、めざましテレビ、はなまるマーケット、日本経済新聞、とくダネ!、産経新聞をはじめ、多数のメディアで紹介されています。
速読によって様々な脳機能が向上(脳科学者・澤口俊之さん)
- 速読によって「注意の視野」が広がる
- スポーツや車の運転が上手になり、危険回避能力が高まる
- ワーキングメモリが速くなることで、思考や決断も速くなる
- 脳の老化を防止する可能性もある
スポーツビジョンと速読トレーニング(医学博士・石垣尚男さん)
- 「見るチカラ(=スポーツビジョン)」が向上する
- スポーツビジョンとは、動くものをはっきり見る「動体視力」、瞬間的にパッと見る「瞬間視」、広い範囲を見る「周辺視野」
熟読しても必ず忘却するのだから、速く読んで何度も読もう!
1冊に3時間かけ、一字一句見逃さずに熟読したとしても、1回しか読まなければ早晩忘れます。
1冊20分で3回読んだ方が長期記憶として頭に残るので、一度で全部頭に詰め込もうとせず、サラサラと複数回読む方が断然効果的。
宅建や行政書士など、暗記系資格の効果的な勉強法を考案した棚田健大郎さんの「大量記憶法」は、過去問題集を複数回読むことを提唱し、大勢の人を資格取得に導いています。
遅読は積読の始まり
積読とはタイトルや帯に惹かれて購入したものの、読めずに積み上がっている本のことです。
積読の原因は、タイトルと内容がかけ離れていた、途中まで読んだけれど、自分には向いてなかったとわかった等さまざまですが、一番多いのは、時間がかかりすぎて続きを読むのが億劫になってしまったというものではないでしょうか?
超大作でもない限り、1冊1〜2日以内の読了を目指しましょう。複数回読めば、長期記憶として定着し、小説なら伏線も回収できます。
速読のできる人は世の中にいくらでも存在する
「速読なんて存在しない」という意見を聞くことがありますが、それぞれが想像する「速読のイメージ」が違う場合、話が噛み合わないでしょう。
速読は40年以上前から研究され、全国には速読教室が数千も存在します。
読むのが速くなったという口コミも多数あるため、これらをすべて「思い込み」と考えるのは難しいですよね。
ちなみにアメリカのケネディ元大統領は、速読をマスターし、一般的な読書速度(1分間に200ワード~300ワード)の4~6倍の分速1,200ワードのスピードで読むことができたとされます。
そして側近にも速読を習わせていたそうです。
「速読なんてない。なぜなら科学的な根拠がある」という文言だけを見て、速読全般を否定し、諦めるのはもったいないですよ。
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