一般に「速読」と呼べるのは、どの程度の速さなのでしょうか?
1990年には、アメリカのハワード・スティーブン・バーグ氏が、1度に15行を読む方法で、分速25,000字という記録を出し、ギネスに認定されたそうです。ちなみに英語圏のネイティブの平均は200~250wpm(Words Per Minutes)です。
一方、日本人の読書速度の平均は分速500文字なので、バーグ氏の記録を機械的に日本語に当てはめるとすれば、分速50,000文字ということになりますね。
1970年代から速読を研究している新日本速読研究会の川村 明宏会長によれば、簡単なトレーニングをすれば、ほとんどの人が分速5,000文字を達成でき、さらにトレーニングを続けた場合、10,000字〜20,000字以上も可能だそうです。
本を速く読むための方法(速読術)は数多くあり、効果のある方法は1種類だけではありません。
今回の記事では、無料でできるトレーニングを中心に、長年実績をあげてきた定番のトレーニングまでわかりやすく解説します。
速読はうさんくさいもの?
川村 明宏会長によると「速読=うさんくさい」というイメージは、「だれでも1分間に百万文字が読める!」といった大げさなキャッチフレーズで生徒を集めるような一部の速読教室や通信講座に責任があるとのことです。
もしかすると、分速百万文字に成功した人がいたのかもしれませんが、それは特殊能力であって、「誰でもできる」ように宣伝してしまっては、うさんくさいと思われても仕方ありません。
一方、読書速度を分速500文字から1,000文字にあげるのは、読み方を変えるだけで簡単です。
これだけでも同じ時間内に参考書やマニュアルを2度読めるので、資格取得や仕事に断然有利なのです。
「○○は速読に効果がない」といった他のメソッドへの言及を見かけますが、多くのメソッドは10年、場合によっては40年以上も支持され進化し続けています。
それぞれに多少の向き不向き、メリットデメリットはあるかもしれませんが、効果のないメソッドならばとっくに淘汰されているはずです。
速読の方法・コツ・ポイント・注意点
多くの速読教室、団体、通信講座、オンライン講座に共通している速読の方法やコツ、ポイント、注意点をまとめました。
① トレーニングには基礎知識があり読みやすい本を選ぶ
意味すら知らない単語が頻出する専門書を速読するのは至難の業です。
速読のトレーニングを兼ねた読書には、興味も知識もある本を選びましょう。同じジャンルの本ばかり連続して読む方法もおすすめです。
② 脳内で音読せず「視読(しどく)」という読み方に変える
トレーニングを受けていない日本人の読書スピードは平均500文字。速い人でも分速1,000文字の壁はなかなか超えられません。
なぜかといえば、ほとんどの人は読書をするとき、頭の中で音声化(脳内で音読)する習慣があり、早口言葉の上限を超えられないからです。
1文字、1文字読んでいるとはいえ、同時に目に入っている文字は3~4文字とされています。この3~4文字を「中心視野」と呼び、なんとなく見えている文字を「周辺視野」と呼びます。
一般的な本の場合、1行は約40文字です。周辺視野を広げるトレーニングにより、1行から数行、場合によっては見開き2ページを同時に見られるようにします。
自分でトレーニングにチャレンジするなら、最初は、
- 句読点ごとのかたまりに分け
- 視点をかたまりの中央で止め
- 次のかたまりに移動する
方法が簡単でおすすめです。慣れてきたら、今度は「行の中央」に視点を止めてみましょう。
読むのが遅い人は、視点が頻繁に止まり、視点の滞留時間が長く、視線が戻るなどの無駄が多いようです。
紙本で読む場合は、本と目を離した方が速読しやすい傾向にあります。リラックスして読むことも重要ですね。
③ 目次、まえがき、(本によっては)あとがきをしっかり読む
重要なポイントや大筋はあらかじめ理解しておいた方が速読しやすいので、目次とまえがきには必ず目を通しましょう。
先に要約を読めば、速読はますます簡単になります。
④ 繰り返しを前提として読む
人間は忘れやすいけど、複数回繰り返すことで完全に覚える!エビングハウスの忘却曲線
赤い線は1日目に1度だけ記憶を試みたもの。緑は2日目、3日目、4日目に再度記憶した量がどれだけ残っているか示したものです。繰り返せば繰り返すほど、覚え直しが容易になり、長期記憶として定着します。
復習で記憶のキープが可能!カナダ・ウォータールー大学の研究結果
そして、ウォータールー大学の研究では、翌日に10分間、1週間後に5分間、1か月間に2~4分間程度と3度、授業のの復習をすれば、記憶はほぼ失われないという結果が出ています。
速読をマスターすれば、平均的な読書の2倍から20倍のスピードで本を読めるので、復習には圧倒的に有利です。資格試験にもチャレンジしてみましょう。
⑤ イメージ(右脳)でインプットし、要約(左脳)でアウトプットする
「速読には右脳を使うのが効果的だが、左脳も一緒に使った方が記憶として定着しやすい」という説が一般的です。
文章を左脳で読むのではなく、右脳で素早くイメージとしてとらえ、読み終われば、左脳で要約して長期記憶として定着させます。
要約は、パソコンやスマホに残すより、ノートに手書きで書き込みましょう。
⑥ 眼筋を鍛える(両論あり)
「眼球を高速で動かす、視野、視幅を広げる眼筋トレーニングは、目が疲れるだけで意味がない」という説がありますが、日本で唯一特許を取得している川村式ジョイント速読術でも導入していますし、個人的には有益だと考えています。
人差し指を立てて両手を前へ突き出し、顔が動かないようにして、目だけを動かして左右の爪先を交互に見ることで眼筋トレーニングができます。(引用元:日本速脳速読協会)
日本速脳速読協会でも眼筋トレーニングを推奨しています。協会が開発した速読解BizではパソコンやiPadを使った眼筋トレーニングができます。眼鏡か裸眼でお願いします。
スマホでトレーニングをしたい場合は、ソクノーをお選びください。
⑦ 【番外編】脳の可塑性(かそせい)と汎化作用(はんかさよう)を利用する方法はオンライントレーニングで!
- 脳の可塑性(高速で流れる文字を見た後、速度を落とせばゆっくりに見え、読めるようになる)
- 脳の汎化作用(見る能力が向上すれば、思考、理解、記憶、感性すべての能力も向上する)
自分で訓練することは難しいので、速読解Biz等のオンライントレーニングがおすすめ。
分速の目標をどこに定める?
目標を決めておいた方が、モチベーションを維持できますよね。
内容をちゃんと理解しながらの速読では、1分間に平均してどのくらいの文字数が読めるのでしょう。医学博士・横山聡氏による、普通の人の読書速度と速読法で訓練した人の読書速度の違いを調べた研究結果をご覧ください。
- 普通の読み方:500~1,000文字/分
- 無駄な視覚運動を省いた読み方:3,000文字/分
- 文字情報の音声化を省いた読み方:8,000文字以上/分
速読スキルのレベルが高い人は、普通の読み方をする人に比べて約3~16倍の基準で読め、しかもある程度内容が理解できているようです。(引用元:学び続けるビジネスパーソンへ)
まずは第一目標として、無駄な視覚運動を省き、音声化もかなり省かれた状態の「分速5,000文字」を目指すのがおすすめです。
分速5,000文字は、平均的なスピードの約10倍です。
完全無料!自分でできる速読トレーニング
それでは、自分でできる速読トレーニングを紹介します。
① 新聞のコラムを使う【ためしてガッテン】2010.4.7放送
NHK総合のためしてガッテンで紹介された速読トレーニングは、新聞を利用する方法でした。
新聞は一行が短く、一行単位で意味をとらえていく「視読」が簡単。10日間のトレーニングで2倍のスピードを目指します。
新聞速読の方法
- 記事の「見出し」から内容をイメージしてみる。
- 一文字ずつ読まずに、
かたまりごとに小さな波を描くように目を動かして読む。目線が 下から上にあがるときは次の行を見る。新聞は1行が短く、 かたまり読み(ブロック読み)のトレーニングに最適。 - 1面のコラム(天声人語や編集手帳等)を30秒間で読む。
かならず時間を計測する。
② 漫画の吹き出しを使う
漫画の吹き出しを一つのかたまりとみなし、「視読」の練習をします。文字が少ないうえに、行も短く、基本的に会話なので、難しい単語も出てきません。
③ 児童文学書を使う
脳の可塑性を利用したトレーニングです。
練習には、文字が大きな児童用の本が最適。動画のように高速から低速にページをめくる速度を落とし、なるべく文字を読む努力をします。
まず初めに、速読トレーニング前の読むスピードを文字数で測定しておきましょう!測ったところ、1分あたり486文字でした。
で、次に、先ほどの児童書を使った高速めくりトレーニングを1時間ほどしてもらうとともに、意識的に頭の中での音読をせずに読み込んでもらう作業を繰り返してもらいました。
で、半日ほどトレーニングをやってもらった結果、再度読むスピードを測定したところ、出た結果は・・
1分あたり1,034文字!(引用元:たまてBOX)
速読のトレーニングを受けていない平均的な読書速度の人が、半日のトレーニングで分速486文字から1,034文字にスピードアップ!
ただし、速読を「一生ものの技術」にするには、1年以上の継続が必要だとされています。
④ SP速読学院の「5倍速無料速読トレーニング」を使う
速読教室SP速読学院では、インターネットで速読のトレーニング「5倍速無料速読トレーニング」を提供しています。
スマホでもパソコンでもトレーニングが可能です。
メニュー
読書スピード計測/視点移動トレーニング/眼筋ストレッチ運動/単語再認の自動化トレーニング/単語イメージトレーニング(インプット・アウトプット)/文節読みトレーニング/リーディングスパン向上トレーニング/平行読みトレーニング/視力アップトレーニング/結果バランスチャート
無料で提供している初心者用のトレーニングですが、非常に内容が充実しています。
1996年設立の「SP速読学院」は、東京、大阪、名古屋、京都で教室を運営し、動画も販売しています。教室またはオンラインで無料体験レッスンもありますよ。
クイックマスターコース(3回・32,780円)、スタンダードコース(30回・148,500円)他
小説の速読はあり?
専門書や技術書とは違い、平易な言葉で書かれている場合の多い小説は、速読しやすいジャンルだと思います。
けれども、速読には、登場人物の姿や声を友人知人にしてみたり、その場の空気を五感で想像する楽しみはありませんし、文体を味わうこともできません。
つまり、あらすじを知るための読書になります。
ベストセラー、ロングセラーのあらすじなら、You Tube動画や個人のブログに公開されていることも多々あります。
熟読すべき本と速読で良い本を分け、必要なときだけ速読術を使いましょう。
速読のメリットは無限大!
速読のメリットは多数あります。
- メール、会議資料、マニュアル等も速く読めるので、仕事が捗る
- 多読になり話題が豊富になることで、人とのコミュニケーションが取りやすくなる
- 途中リタイヤによる積読(つんどく)癖の解消
- 復習がたやすくなり、資格試験に合格しやすい
- 自由時間が増えて、趣味や一家団らんの時間に充てることができる
- 履歴書にも書けるので、知的な趣味、特技をアピールできる
速読のトレーニングは自分でもできるが、オンラインがおすすめ!
読み方の習慣を意識的に変えることで、自分でも速読のトレーニングが可能です。
ただし、眼筋トレーニングや脳の可塑性を利用したトレーニングはパソコンやスマホのオンライントレーニングがおすすめです。
速読はあなたの人生をより良いものに変えてくれますよ!
あなたの人生を変える速読オンライントレーニングおすすめ3選
①『速読解Biz』は月々2,980円(税込)~速読を学べる!
速読解 Bizの「4か月お得パック」なら、月々わずか2,980円(税抜)と超低料金で速読を学べます。契約中は回数無制限で利用可能。
簡単な目のトレーニングと脳トレで、隙間時間に5分でも10分でも楽しめます。
速読解Bizは、25年以上前から日本全国で速読教室を運営している日本速脳速読協会が開発したメソッドで、教室と同じトレーニングが自宅でおこなえます。
大学生と社会人が対象。申し込みはスマホからでも可能ですが、パソコンとiPadでトレーニングします。
【日本速脳速読協会】TERRACE(テラス)の速読を自宅で受講できる!大人と大学生対象の速読解Bizとは?【料金や口コミも!】 |
②『川村式ジョイント速読術』は任天堂DSで有名な川村明宏博士のメソッド!
「川村式ジョイント速読術」を開発した川村明宏博士は、日本における速読の第一人者で、日本で唯一速読に関する特許を取得している方です。
川村式速読術の歴史は古く40年以上になります。現在では日本のみならず、アメリカでもシェアナンバー1を獲得。
「川村式ジョイント速読術」は、1日わずか7~10分程度の簡単なトレーニングで、多くの受講生が分速5,000文字から10,000文字を達成。※平均速度の10~20倍以上
メールと電話で講師に相談可能で、月々わずか4,980円(税抜)。申し込みから1か月のトライアル期間があります。
申込はスマホからも可能ですが、トレーニングはパソコンでおこないます。
③『ソクノー(SOKUNOU)速読術・記憶術・暗記術』は通勤中スマホでもトレーニングできる!
速読解Bizと川村式ジョイント速読術は、速読に特化したメソッドですが、ソクノー(SOKUNOU)は、速読力のほかに、速聴力、記憶力も総合的にトレーニング。
所要時間は1日わずか7分間。脳トレは通勤時間にも楽しめます。
ディスプレイの大きいパソコンでのトレーニングがベストですが、スマホでも可能なので、パソコンをお持ちでない方におすすめ。
最初に年齢設定ができるので、子どもの利用も可能です。
料金は月々わずか4,980円(税込)。追加のアカウントは1名1,980円(税込)。親子で楽しめます。
あなたの人生をイージーモードに!おすすめの記憶術
『ジニアス記憶術(ジニアスメモリー)』は1日7分で記憶力そのものを向上!
1日7分ほどの簡単な脳トレで、記憶力そのものを向上させます。トレーニングには、川村式ジョイント速読術も組み込まれているので、速読力も同時にアップ!
電話やメールで講師に相談できるので、モチベーションも維持できます。
毎月払いだと月額2,980円(税込)、1年パックで月額1,980円(税込)と、とてもリーズナブルです。7日間の無料トライアル期間があるので、向いていない場合の金銭的なリスクはありません。
ジニアス記憶術は怪しい?詐欺?開発者、川村博士の経歴や記憶の宮殿などイメージ記憶術を活用した画期的なトレーニング内容も徹底解説! |