人の名前や会社名、物の名前が思い出せずに困ったことはありませんか?
とくに人の名前を忘れたり間違ったりした場合は、相手が不愉快に思うかもしれませんし、大切なビジネスチャンスを逃してしまう可能性もありますよね。
テレビでもおなじみの脳科学者、中野信子さんが、2021 年出版の【タイトル:世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた】という本の中で良い解決方法を紹介してくれました。
その方法の名前は「検索タグ記憶法」。
記憶力競技日本チャンピオンの平田直也さんも2019年発売の「世界最強記憶術 場所法」という本の中で『タグ付け法』として紹介しています。
今回はお2人の著書を参考に「検索タグ記憶法」『タグ付け法』を徹底解説します。
記憶のメカニズム
記憶力に自信のある人とない人、いつまでも覚えている記憶とすぐに忘れてしまう記憶。
いったいどこが違うのでしょうか?
「記憶力が良い人」ってどんな人?
「記憶力が良い人」というのは、必要なときに必要な情報を即座に思い出せる人のことです。
人間の記憶容量は140テラバイト(TB)を遥かに超えているそうです。
1TBは約1,000ギガバイト(GB)で、ノートパソコンのハードディスクの容量は500GB~1TB程度。
私たちの脳は、かなりハイスペックなパソコンの140台分より優秀なようです。
記憶力に自信のない人も、実際は、脳の中に膨大な情報が入っているらしいのですが、取り出せないことに問題があるようです。
パソコンの中から昔作ったファイルを探そうとしても、どのフォルダーに入っているのかわからず、ファイルに付けた名前すら忘れているので、検索もできない状況に似ています。
したがって、脳から必要な情報を速やかに取り出すには、情報に「検索タグ」をつけておくことがベストな解決策になります。
「写真記憶」ができる人って?
中野信子さんは、写真記憶(映像記憶)の能力があり、見たものをそのまま瞬間的に記憶できるそうです。
幼い子どもは全員できるそうですが、文字をマスターするからなのか、ほとんどの人はいつの間にかできなくなってますよね。
速読術や記憶術の一つとして、後天的に写真記憶をマスターしようとトレーニングする人も多く、私も憧れますが、実はこれ、結構デメリットもあるみたいなのです。
中野さんも今では、不要な情報や精神的苦痛を伴う思い出は上手に忘れる技術を身につけているそうですが、過去においては「記憶を曖昧にしたり、自然な形で消していけたら、便利だろうな」と考えていたそうです。
いわゆる「記憶力が良い」ことのデメリットとは?!
中野さんの著書における「記憶力が良い人」というのは、「必要なときに必要な情報をすんなり思い出せる人のこと」なのですが、世の中には、かなり昔のことまで詳細に覚えているタイプの人もいますよね。
もちろん、そのようなタイプの人も「記憶力が良い人」だといえます。
私の知り会いにもそうしたタイプの「記憶力が良い人」がいるのですが、突然、子どもの頃の辛い思い出を鮮明に思い出す(フラッシュバックする)ことがあるようで、やっぱり便利なだけではないようです。
記憶が感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3種類に分類されているのにも理由があり、仮に「長期記憶」の一種類しかなければ、道ですれ違っただけの人の顔、書店に並ぶ本のタイトル、スーパーマーケットにある商品の値段…こうしたものがすべて長期間記憶に残り、大変なストレスになってしまいます。
感覚記憶、短期記憶、長期記憶(保持時間には諸説あり)
- 感覚記憶…映像や音など。保持時間は約1秒で、音の方がやや長い
- 短期記憶…保持時間は数十秒~。繰り返し見たり、聞いたりすることで長期記憶に変わる。コンビニで購入する商品、毎日の食事のメニュー等。
- 長期記憶…保持時間は数十年~永久←資格取得や勉強にはこれを目指す
入ってきた情報が意図せず長期記憶になってしまうタイプより、工夫(記憶術の活用)や繰り返し思い出すことで、短期記憶を長期記憶に変えていけるタイプの方が「人生は楽」なのかもしれません。
人間は「検索」してはじめて「記憶している」と確認できる
記憶のメカニズム
- 脳内から情報を引き出さない(検索しない)限り、情報は早晩消える(正確にいえば、時間が経てば経つほど、思い出しにくい状態になっていき、最後は完全に思い出せなくなる)
- 脳内の海馬(かいば)で短期記憶に分類された記憶も、反復検索で長期記憶に変わる。
- 感情が大きく動いた情報は長期記憶になりやすい
- 記憶力に自信の無い人は、検索が苦手な場合が多いので、記憶術の活用がおすすめ
『検索タグ記憶法』の方法
中野信子さんの書籍によると、認知心理学の実験で、無意味な文字列を15秒ほど眺めて思い出せる文字の数は、平均10文字程度だったそうです。
人間は無味乾燥で感情が動かない情報を覚えることがとても苦手です。
「検索タグ記憶法」は、無味乾燥な情報に無理やり意味をこじつけたり、五感を使って検索しやすく(思い出しやすく)する記憶法です。
記憶力競技日本チャンピオンの平田直也さんも『タグ付け法』を紹介
平田直哉さんは、記憶力競技の日本チャンピオン。
「世界最強記憶術 場所法」という本の中で、場所法が使えない人名の記憶方法として、「タグ付け法」を紹介しています。
平田さんは、人の顔と名前を一致させる記憶力競技で日本記録を保持しており、1分間に29人もの顔と名前を覚えたそうです。
「タグ付け法」を使えば、顔と名前だけではなく、会社名や肩書なども合わせて覚えることができます。
『検索タグ記憶法』『タグ付け法』は人や店、物の名前を覚えるときに活躍
中野信子さんも平田直也さんも、この記憶術の活用例として「人名の覚え方」を紹介されています。
どちらもこれから記憶したい人名を、脳内で「イメージしやすい身近なもの」に変換し、その人の容貌や性格の特徴と結びつけて記憶する方法です。
できれば2〜3回、長くても5回程度の連想でストーリーが完結するのがベストです。
中野信子さんの人名の覚え方『検索タグ記憶法』活用法
「白い」や「甘い」といったイメージするものが広い範囲のものに適用できるようなものではなく、できるだけその特徴を的確に表現するものが良い。(引用元:世界の「頭のいい人」
がやっていることを1冊にまとめてみた)
平田直也さんの人名の覚え方『タグ付け法』活用法
ステップ1:その人の顔や服装など、見た目の印象を一言で表す
ステップ2:ストーリー法を使ってタグと名前を結び付ける
ステップ3:タグを思い出し、ストーリーを再生する短くて印象的なストーリーを作るコツは、ゴールから逆算していくことです。(引用元:世界最強記憶術 場所法)
髪型や服装のイメージなど、二度目に会ったときに変わっている可能性があるものをストーリーに入れるのは少し危険です。その場合は、2つ、3つとタグを増やしておきましょう。
『検索タグ記憶法』マスターのコツ8つ
中野信子さんの著書『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』と平田直也さんの『世界最強記憶術 場所法』を参考に、検索タグ記憶法のコツをまとめてみます。
① 覚えたいものを目につく「場所」に貼りつけておく
「場所法」という記憶術があるくらい、人間には「場所と結びついた情報は覚えやすい」という習性があります。
覚えたい専門用語、漢字、英単語、日時などは、自宅の目につく場所に貼っておきましょう。場所と一緒に思い出せるはずです。
② 五感をフル活用
音読は視覚と聴覚を使い、手書きのメモは触角を使います。※ただし、本など長い文章の音読は、頭に入ってこないタイプの人もいるようです。向き不向きがあるのでご注意ください。
香り(嗅覚)と結びついた記憶も長く頭に残りますので、人に自分を印象付けたい場合にフレグランスは効果的です。
③ 感情を動かす
「嬉しい」「楽しい」「怖い」「悲しい」などの喜怒哀楽は記憶の助けになります。
感覚記憶、短期記憶、長期記憶の分類は、脳内にある脳の海馬(かいば)の仕事です。
京都大学出身のコメディアン、ロザンの宇治原さんは「怖いなぁ」「すごいなぁ」「ずるいなぁ」と、感想を言葉にしながら、勉強していたそうです。
- 言葉にできる記憶(陳述的記憶)=意味記憶(言語の意味や情報の記憶/感情は動かない)+エピソード記憶(経験の記憶や思い出、PTSD/情緒が伴う)
- 言葉にできない記憶(非陳述的記憶)=手続き記憶(リンゴをむく、自転車に乗るなど技能記憶)
④ なるべくタグの数を増やす
ヘアースタイルや服装の印象をタグにした場合など、イメージチェンジで突然名前が思い出せなくなる可能性があります。
話し方や癖、声、会話の内容から、複数のタグを作っておきましょう。
⑤ 語呂合わせやストーリー法も総動員し「こじつけ力」を発揮する
意味のない文字列や数字を記憶するには困難が伴います。
逆に突飛であれば突飛であるほど、そのイメージは鮮明に記憶に残ります。
記憶術の達人、平田さんも名前と顔を覚えるには「こじつけ力が必要」だとおっしゃっています。
⑥ 興味がないから覚えられない!だったら好きになって興味を持つ
意味のない文字列や数字が覚えにくいのと同じで、興味のない人の顔や名前は覚えにくいものです。
平田さんは、記憶力大会で大勢の人の顔と名前を覚えるときは、その全員のことを好きになり、「この人のことがとても気になるから絶対に覚えたい」という意識を持つようにしているそうです。
記憶力大会は写真を見て顔と名前を覚えるので、本人に会ったこともなく、今後会う可能性はほぼゼロの人ばかり。
一方私たちは、目の前にいる人に対してこの記憶術を使うことになります。
こちらから相手に好意を抱くことは、相手の特徴を覚えること以上の効果がありますよね。
また、どのページから読んでも良い教養書や実用書などのビジネス書は、目次を見て興味のある項目から先に読むことをおすすめします。まずはその本自体に興味を持つことが大切です。
⑦ 反復する
繰り返し反復することで、短期記憶が長期記憶に代わり、定着します。
なお、レポートや企画書などは1時間以内に見直しても、直後記憶が邪魔をして誤字脱字が見つかりにくいそうです。翌日から3日後あたりに見直しするのがベスト。
誤字脱字は、書類を作成した翌日以降に、まずは一部だけプリントアウトしてチェックするのがおすすめです。
⑧ 人に話す、文字に残す(アウトプットする)
仲の良い友人と楽しく会話しながら旅行した記憶は「素晴らしい思い出」としていつまでも記憶に残りますよね。
また旅先で出会った人との会話もよく覚えています。一人旅でも現地で出会った人と触れ合い、旅日記を付けてみてはいかがでしょうか?
日常生活のさまざまなシーンで使える『検索タグ記憶法』
中野信子さんが提唱する「検索タグ記憶法」は、私たちの日常生活のさまざまなシーンで使えます。
1度しか会ってない人に、自分の名前を憶えてもらうのは嬉しいものです。
「記憶力が良い人」というのは、検索力に優れていて、必要なときに必要な情報を思い出せる人のこと。
そして、検索力は工夫次第でいくらでも延ばすことができる技術なのです。
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